絵を描いたり、デザイン制作をする上で欠かせないのが色彩の知識。
それ以外にも、インテリアやファッションのコーディネートなど日常生活のあらゆる場面で役立ちます。
この記事では、実際に中学校1年生の美術の授業で扱っていた内容を元に、大人向けに再編成して色彩の基礎知識について解説しています。
vol.4では、vol.1でご紹介した色の三要素を元に、派手に感じる色・地味に感じる色について詳しくご紹介します。
色の感情
色を見た時、例えば「涼しげだな」「派手だな」といった印象や感情を生じることがありますよね。
これは色単体のこともあれば、組み合わせによって感じることもあります。見る人や文化によって受け取り方が違う場合もありますが、暖かい・寒い、重い・軽い、派手・地味などは多くの人に共通する感覚です。
派手に感じる色・地味に感じる色
ぱっとこの図を見た時に、どちらの方が派手と感じるでしょうか?
多くの方が左と答えたのではないかと思います。
色による派手さ・地味さのイメージには、vol.1でご紹介した「色の三要素」のうち、「彩度」が深く関わっています。
彩度とは、色の鮮やかさの度合いのことです。上の図のように、彩度が高い=派手 彩度が低い=地味 ということになります。
派手・地味という表現以外にも、「鮮やか」「鈍い」と言うこともあります。
実践例
今回も、インテリア・ファッション・デザインでの実践例をご紹介していきます!
インテリア
インテリアコーディネートをする上では、明るく生き生きとした空間にしたいのか、落ち着いていてシックな空間にしたいのかで壁の色や家具の色を決めていくのが有効です。
左のように彩度が高い鮮やかな色は、ミッドセンチュリーなお部屋やアジアンテイストのお部屋との相性抜群。対して彩度が低い色は、シャビーシックなお部屋やナチュラルテイストのお部屋にぴったりです。
ファッション
色による派手さ・地味さの印象は、ファッションにおいて意識されることがとても多いと思います。鮮やかな色を使った左のコーディネートはとても華やかで、活発なイメージです。休日に遊びに出かける時や、抜けるような青空にとっても映えそう。自分に活を入れたい時は、あえてこんなカラーを選べば明るくイキイキとした1日を過ごせそうですね。
また、若々しく見せてくれるので、大人の方も思い切って選ぶとぐっと印象が変わるのではと思います。以前旅行で訪れたフランスで、白髪のマダムが鮮やかな赤なコートを着こなしていらっしゃるのを見たのですが、それはそれは素敵で輝いて見えました…!
対して、右は落ち着いていて大人っぽい印象で、お仕事やゆっくりとカフェで読書しながら過ごしたい日などにぴったり。映画やアート鑑賞など、しっとりとしたデートの日にも合いそうです。真面目な印象を与えたい場面にも向いているので、面接など重要な話し合いの場面にも選びたいカラーです。
デザイン
ファッションと同様に、明るくイキイキと見せたい場合は彩度の高い色を、落ち着いて見せたい場合は彩度の低い色を中心に配色計画をすると、イメージが伝わりやすくなります。ティーン向けのグッズは鮮やかな、大人向けのものはシックな鈍い色を使っている場合が多いです。
同じ雑誌の表紙デザインでも、彩度が違うとこれだけ印象が変わります。
それ以外にも、彩度の高い色は新鮮な印象を与えるという特徴もあります。先ほどもお見せしたこちらの図でいうと、やはり右のりんごの方がフレッシュで美味しそうに見えるのではないでしょうか。
これを上手く利用しているのがスーパーでよく見かける、野菜やくだもののネットです。オクラが緑色のネットに入っていたり、みかんが赤色のネットに入って売られているのをよく見かけますよね。これはネットの色と同化させ、より中のものを鮮やかに見せるためです。
ネットの緑が影響し、左のオクラの方が鮮やかに見えるのが分かると思います。
その他にも、お肉に赤いライトを当てているスーパーもありますが、同じ理由です。
まとめ
色による派手な感じ・地味な感じの印象は彩度によって決まる
その他にも、
- 彩度が高い色=活発でイキイキとした感じ・若々しい感じ・新鮮で美味しそうな感じ
- 彩度が低い色=落ち着いた感じ・大人っぽい感じ
という特徴もありました。
参考になればうれしいです!
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