絵を描いたり、デザイン制作をする上で欠かせないのが色彩の知識。
実際にクリエイティブなお仕事をしている方でも、感覚の良さから何となく扱えてしまって、実は詳しくは分からない。。。といった場合も多い気がします。
実は私自身もそうで、中学校の美術の講師をしていた時に色彩の単元があり、
授業準備をする中で
「なるほど!そういうことだったのか!」
と霧が晴れたような気分になりました。
その時の経験を元に、当記事をまとめてみます。
この記事では、
実際に中学校1年生の美術の授業で扱っていた内容を元に、大人向けに再編成して色彩の基礎知識について解説しています。
今まさにデザインや絵画を学び始めた方はもちろん、
ファッションだったりインテリアコーディネートだったりと日常生活の中でも活かせる知識かなと思います。
内容としてはとてもシンプルなものなので、ぜひさらっと読んでみてください!
まずは身近にある色を分類することから始める
まずは、身近にある色を分類する知識を身につけることから始めてみます。
今あたりを見回してみて、どんな色があるでしょうか?
- スマホの黒
- ごろっとしている絨毯のグレー
- フローリングの茶色
- 窓の外に見える木々の緑
例えばこんな具合だとします。
色の名前について、「グレー」や「茶色」などと呼んでいると思いますが、この記事を読み終えると別の名前で呼ぶこともできるようになります。
後ほどまとめで振り返ってみましょう!
色があるか?ないか?
まず色は大きく2種類に分類できます。
「色味があるか、ないか」です。
何のことやら?って感じかも知れませんが、
つまり、「カラーか、モノトーンか」ということです。
色味がある=有彩色
色味がない=無彩色
という名前があります。
つまり、先ほどの例でいくと、
スマホの黒、絨毯のグレーは「無彩色」
フローリングの茶色、外の緑は「有彩色」
というわけですね。
色の三要素
さらに細かく分類するための知識として、色の三要素(三属性)について学んでいきましょう。以下の3つです。
- 色相
- 明度
- 彩度
それぞれ詳しく見ていきます!
色相
「赤み」とか「青み」といった色味(いろみ)のことです。無彩色にはありません。
似ている色味をグラデーションになるように並べていくと環(わ)になる性質があり、これを色相環(しきそうかん)といいます。
下の図は12に分けた「12色相環」です。マンセル色相環やオストワルト色相環など他にも種類はありますが、今回は、シンプルで理解しやすく、中学校の授業でも取り扱う12色相環を使って理解を深めていきます。
明度
色の明るさの度合いのことです。下の図のように、明度が高い=明るい 明度が低い=暗い ということになります。
彩度
色の鮮やかさの度合いのことです。鮮やかな色を彩度が高い、鈍い色を彩度が低いと表現します。無彩色にはありません。
下の図のように、彩度が高い=鮮やか 彩度が低い=鈍い ということになります。
彩度の高い色はおいしそうに、低い色はまずそうに見えますよね。
色の三要素に基づいてさらに分類してみる
ご紹介した色の三要素の知識を基に、さらに色の呼び名を知っていきましょう。
純色
各色相のなかで最も彩度の高い色のこと。12色相環でいう「あお」の色味だとこんな色です。ちなみに、12色相環の色はすべて純色で構成されています。
明清色
純色に白だけが混ざった色のこと。「あお」の色味だとこんな色です。「水色」と呼んだりする色ですね。
暗清色
純色に黒だけが混ざった色のこと。「紺色」と呼んだりもしますね。
濁色
純色に灰色が混ざった色のこと。「ブルーグレー」と呼んだりするでしょうか。
まとめ
今日の知識を基に、オープニングで示した4色を分類してみます。
まずは、有彩色と、無彩色です。
さらに、有彩色の2色を分類していくと、「木々の緑」は、12色相環で言うところの「みどり」の色味で、「純色」に近い色と判断できます。
ではフローリングの茶色はと言うと、、、
「きみのだいだい」の「濁色」になります。ちょっとこれは意外に思えませんか?
フローリングの色はお家によって違いますが、もしこんな感じの色味の茶色だったとしたら、、、
イメージできたでしょうか?
答えは、先ほどよりもう少し赤っぽい「あかみのだいだい」の濁色です。
少し本題からずれましたが、
今回初回した知識を基に、こんな風に分けることができました!
(自然界の緑は複雑な色なので、実際には純色ではないと思われますが)
次回はこの知識をベースに、より実践に近いものをお伝えしていきます。
参考にしていただけたらうれしいです!
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