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効率よくデザイン力を上げるには?【誰にでもできる簡単な下準備】

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デザイナーを目指している方や、新人デザイナーとして日々奮闘している方は、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか?

「効率よくデザイン力を上げる方法って何かないのか!?」

素敵だなと思うチラシを集めてみたり、バナーのトレースをしてみたり、、
そんな小さな努力の積み上げが大切なのは分かっているけど、どうしても早く一人前になりたい!ディレクターに一発OKもらえるデザインを作りたい!と思ってしまいますよね。

今回は、現役デザイナーが考える、効率よくデザイン力を上げるための下準備ついてご紹介していきます。

効率よくデザイン力を上げるには?

結論、

視覚的な情報の吸収率を上げる

ことをおすすめします。
理由と具体的な方法をお伝えしますね!

なぜ視覚的な吸収率を上げた方が良いのか

例えば、目の前にこんな風にりんごが置いてあったとします。

おそらくほとんどの方は、「あ、りんごね。」と思い、それでおしまいです。

それで何も悪いことはないのですが、そこから一歩踏み込んで、

形は?質感(触りごこち)は?光はどこから当たっている?

などじっくり観察していくと、沢山の視覚的な情報を得ることができます。

日頃からこんな見方をすること習慣になれば、自然と大量の視覚的な情報が自分の脳内にストックされていきます。休日にふらふら街をさんぽしていても、良いデザインのポスター、美しい配色のファッションに気が付くことも増えてきます。

脳内に沢山の素材があればあるほど、アウトプットの幅も広がります。それで、自然とデザイン力の向上につながる、というわけです。よく「語彙力を鍛えたければ沢山本を読むといい」などと言いますが、それとよく似ていると思います。

視覚的な吸収率を上げるトレーニング

では、その視覚的な吸収率を上げるにはどうすればいいのか?という話なのですが、一番スタンダードな方法がデッサンやスケッチです。

モノを見るだけでなく、実際に手を動かして再現することで、自分が本当にきちんと観察できているのか(思い込みで作ったりしていないか)確認することもできます。

ですが、画材を揃えたり、ただ一人で集中するまとまった時間を確保するのはなかなか大変ですよね。それに、いつの間にか「上手に描く」ことに夢中になってしまい(あるいはそう描けないことに苛立ってしまい)本来の目的からかけ離れてしまうこともあります。

そんなわけで、今回は手は動かさずにとにかく「目の前にあるものをじっくり観察する」プロセスをご紹介します。今までこのような見方をしたことが無かった方は、やってみるだけでも新しい発見があると思いますよ!

写真で解説

まずは私の視点からやり方をご紹介します。ぱっと目に入ったのがマウスだったので、これを観察していくことにします。みなさんも写真上ではありますが、このマウスをじっくりと観察してみてください。

  • 光はどこから当たっている?
  • 素材は何?どんな手触り?思いの?軽いの?
  • 他のモノとの関係性は?  などなど。。。

最初は難しいかも知れませんが、「ただのマウスじゃん」という観念をとっぱらって、初めてこの物体に出会った原始人のような気持ちでまじまじと見つめてみます。

もはや、これをマウスではなく“マウスというらしいモノ”と呼ぶことにしましょう。

光はどこから当たっている?

白黒にした方が光の方向が見えやすいので変換しました。

光の方向は影を見てみると分かりやすいです。この“マウスというらしいモノ”の状況では、左ななめに落ちていることから、反対の右上から光が当たっていることが分かります。
影の面積はさほど大きくないので、割と真上に近い位置から当たっているとも言えます。

また、印字されているロゴの後ろあたりがピカッっと光っているので、後方からも光が来ていることも分かりますね。

したがって、光源はやや後方の右上といったところです。

さらに、影になっているはずの左側面がちょっと明るいです。
下からの反射の光もあるようです。

素材は何?どんな手触り?

この“マウスというらしいモノ”をそっと触ったところ、とてもツルツルとしたプラスティックでできていることが分かりました。ツルツルゆえに、目の前にあるモニター画面が映り込んでいます。
上面はちょっとキラキラとした、ラメ加工もされています。側面はややマットです。

他のモノとの関係性は?

この“マウスというらしいモノ”は円形のビニール製シートの上に乗っています。そのシートは木製のデスクの上に置いてあります。
デスクとシートと“マウスというらしいモノ”の上面は水平です。

また、30cmほど離れた前側にパソコンのモニターがあり、“マウスというらしいモノ”に映っています。

他にも上げるときりがないのですが、ざっとこんな感じです。

どうでしょう?
「あ、マウスね。」
で終わってしまいそうなところから、こんなにも情報を得ることができました。

自分の身の回りのものでもやってみる

おおよそのイメージがつかめたら、ぜひ実際に自分の身の回りのものを同じ要領で観察してみてください。

写真はすでに3Dのものを2Dで表現しているため、立体感や奥行きが掴みにくいです。目の前のものなら実際に手触りや重量感を確認することもでき、より深い観察ができます。

「ふーん、なんか今まで適当に見ていたものだなー」という感覚があれば、最初の一歩としては充分だと思います。何事もそうですが、「知ったつもり」でいると、そこで情報の吸収はストップされてしまいます。そうならないためにも、常に新鮮な目で物ごとを見るマインドは大切にしたいですね。

まとめ

今回は、デザイン力を上げるには、視覚的吸収率を上げると効率が良いですよ!というご紹介でした。

これは、スキンケアに例えるなら化粧水というより、その前の導入化粧液のような役割のお話です。

私が初めてその効果を実感したのは高校1年生のころだったかと思いますが、突然世の中全てのものが(道路のシミとか、マンホールに落ちてる落ち葉とか何でもないものが)美しく見えたんですよね…。ちょうど本格的にデッサンを習いだして2年目くらいの時でした。

絵を描くのが好きな人は、かなりの確率で面白い写真を撮るなーと感じるのですが、これは日頃から視覚的に情報を吸収するクセが付いているからだと思います。

参考になればうれしいです!

ABOUT ME
yamada
フリーランスのデザイナー・ライター・カメラマン。元美術の先生。アートやデザインに関する情報をわかりやすくお伝えします!